レントゲンでもMRIでも原因がわからなかった膝の痛み

 60代の男性。膝の強い痛みで歩くこともままならなくなったので病院へ。まずはレントゲンで膝の軟骨減少を確認し、腫れがあったため水を抜き、ヒアルロン酸注射をしたが痛みは治まりません。そこでMRIを撮りましたが、これといった原因は見つかりませんでした。

 

 膝の内側に鵞足という、三つの筋肉がついている場所があります。これが強い痛みとなることがあり、まともに歩けないくらいの痛みになることがあります。強い痛みのため、「骨がどうになかったのではないか」と心配されるのですが、病院で調べてみても骨に異常がない(年齢相応に軟骨が減少している程度)ケースは、鵞足炎を疑います。

 

 鷲足についているのは、縫工筋、薄筋、半腱様筋です。この三つの筋肉の収縮、特に膝の内側からすぐ膝の後ろに走る半腱様筋が見逃されるケースが多いようです。また同時に大腿四頭筋が弱り、筋肉バランスを崩している場合に起こりやすいように見受けられます。

 

 施術は三つの筋肉を中心に、筋肉の収縮を緩めることを目的に行います。これで痛みは治まり、普通に歩けるようになりました。あとは大腿四頭筋を少し鍛えて、膝の安定を増すようにすれば、さらに安定して歩けるようになります。